大雪山黒岳登山
黒岳ロープウェイ
寒く曇った朝、起きて外に出るとキャンプ場のあちこちに鹿たちが歩き回っていて驚いた。ほとんどの人たちはもう出発していて静かな敷地の中を優雅に餌を探していた。
朝ごはんの後私たちは大雪山黒岳に向けて出発した。車で少しの所にある層雲峡温泉から黒岳5合目までロープウェイで行くとそこでペアリフトに乗り継ぎ出来るようになっている。ロープウェイに乗るのは7分ほどだがどこまでも続く黄色く色付いたブナの木々と層雲峡の素晴らしい景色を見ることが出来た。
その後に乗るペアリフトは標高1500mほどの黒岳の7合目まで連れて行ってくれる。どうやって変えるのかはよく分からないが、リフトの高さは2段階になっていて雪の多い季節は塔の高い所にロープが渡され雪の無い時は地面に近い低い所にロープが渡されるらしい。15分ほどの乗車はとても気持ちが良い。特に歩き疲れた帰り道、午後の暖かい日の光を浴びながらリフトに乗って降りてくるのはそれだけで楽しい。
*黒岳ロープウェイとリフト; 往復 2550円 / 大人
黒岳登山
肌寒く曇った朝空の中 私たちは歩き始めた。リフトの駅からすぐのところに「カムイの森のみち」のサインがあるが短そうだったので山頂を目指すことにした。登山道は予想以上に急で、容赦無く急でとてもデコボコしている。階段かラフな岩道だがとてもしっかりしていて足元の岩がぐらつくようなことは無かった。
始めの頃は背の高い笹に覆われていたが登るにつれ景色はどんどん良くなってきた。眼下に見える渓谷はどこまでもどこまでも黄色く色付いた木々が広がっていて、その中にところどころが赤く染まったパッチワークがあり、曇り空の下でも素晴らしい景色を見ることができた。
登るにつれ雲が少しづつ消えて晴れ間が増えてきて、それにつれて景色はもっと鮮やかになり、私たちは暑さから薄着になっていった。登山道にはウンザリする程の人数ではないけれどかなりの登山者がいて、自分が年寄りで足が遅いという事実を実感させられた。
野生動物や鳥を見かける事はなかったが下草の中を素早く動くリスのカサカサとした音が聞こえた。
山頂まで3分の2ぐらいの所で木に覆われた山肌から大きな岩が薄青い空に向かって突き出しているのに出会う、荒涼とした孤高の景色だ。
かなりの急勾配が続いた後突然かすかな硫黄の匂いを感じた中、山頂(1984m)に着いた。岩屑と浮石のがれ場である。その中で割と大きな平たい岩を見つけることができたので一息つくことが出来た。
景色は360度素晴らしく、見下ろした高原には雪渓が残るとても魅力的なトレイルがはるか先に伸びていた。長径2.2kmの古いカルデラ御鉢平に向かう道だ。そこから旭岳ロープウェィまでも続くトレイルがあると聞いたがとても長く厳しい道だ。
でも私たちには無理、山頂まで辿り着くことができただけでもラッキー。山頂を堪能し、しばらく休んでから下り始めた。もちろん下る方がかなり楽だが道はデコボコと起伏に富んでいてそれなりに気を付ける必要がある。購入するのに気乗りしなかったトレッキングポールだったがこれが無かったらきっと膝はダメになっていただろう。
層雲峡温泉
層雲峡温泉の黒岳の湯の割引券を貰っていたが前回行った時は登山客で混み過ぎていて落ち着かなかったので今回は別のところを探した。車で少し行った所の層雲峡グランドホテル(層雲閣マウンテンリゾート1023)の日帰り温泉(700円)でほとんど人はいずリラックスすることができた。しかし露天風呂では建物以外の景色を見ながら快適に温泉に浸かれる場所を見つけられず残念だった。女性の方は大丈夫だったらしい。
層雲峡オートキャンプに戻り、心地よい疲労に包まれながら温かい夕飯とワインを楽しんだ。
*層雲峡オートキャンプ ; 500 円 / フリーサイト
The author is a long term resident of Japan who has and continues to travel the country extensively. Avoiding highways where possible, the author has driven from Kagoshima in Kyushu to Wakanai in Hokkaido covering 20,000 plus kilometres and counting.
Lovely