笠置寺と龍の神社
April18th. 2023
笠置寺
道の駅南山科から車で笠置寺に向かった。笠置寺は通常の観光コースには入っていないようだが大きな寺院で、秋の紅葉シーズンを除けば特に訪れる人は多くはなさそうな所だ。少し険しく狭い道を登って行くと20台ほど停められる駐車場に到着する。春の火曜日の朝早い時間で駐車料金を集めている人はいなかった。
駐車場から200メートルほど歩いて行くと突然旅館が現れるがそこを通り過ぎ、お寺の建物に到着したらそこで300円の入場料を払う。
山頂の回遊コース(約800メートル)を自由に散策することができる。そこには寺院の建物や、切り立った岩肌に刻まれた古代の仏像、そして巨大な岩の間を通る森の小道があり、山頂からは谷や村、そして遠く下の方に輝く川の素晴らしい眺めも楽しむことができる。
ちょっとした歴史
この寺院は非常に古いらしいが8世紀に建立された元の寺院は破壊されてしまった。8世紀以前ここは山岳信仰の中心地だったかもしれない。14世紀には鎌倉幕府に挑戦することを決意した後醍醐天皇が反乱が失敗に終わったためこの山頂の寺院に避難し、1か月間の戦いの末、寺院の施設全体が焼き尽くされ、その後明治時代初期に再建された。
いろいろな寺院の案内パンフレットで「この寺院は歴史のある時点で火災により破壊された」と記載されているのを目にする事がある。その一文からは不注意な僧侶や多くのろうそくの存在が原因であるという印象を受ける。確かにそのような場合も多くあるのだろうが、詳しく調べてみると実際には戦の勝者が破壊したことが原因である場合が少なくない。
この寺院は訪れる価値が十分にあります。優雅な建物や精巧に彫られた神像のためではなく、幻想的な巨岩を通り抜ける森を歩き回るためです。当時の修行僧たちがここを価値ある場所だと思った理由が理解できると思う。
室生龍穴神社
笠置寺から室生龍穴神社へと向かった。ここは水の龍神を祀っているあまり見どころのないどちらかといえば地味な神社だが 意外と人気があるようで結構な人数の参拝客がいた。龍を祀る神社は近くにあと2つあり、それらの神社も探しに行くことにした。
吉祥龍穴
最初の神社は長く曲がりくねった道の先にあり、駐車スペースは限られていて3点ターンどころか車が何台か停まっていると6点ターンをする必要のありそうな狭い場所だった。なんとか車を停めてから杉林を通って急な階段を下りると仮設の神社と見える建物と、あまり印象に残らない洞窟、そして急流があり景色はそれなりに綺麗だが、苦労に見合うほどではなかった。
この神社はパワースポットとして最近人気が出てきたためか山奥にもかかわらず予想外に多くの人が訪れていた。この洞窟は室生龍穴神社の奥宮であり、室生寺以前の8世紀には存在していたらしい。
龍鎮神社
その後私たちは雨を呼ぶ龍の神を祀る3つ目の神社を目指した。この龍鎮神社は訪れて良かった所だ。
道は少し狭く、一方通行でダムを越えて行く必要があるためやや難しいかもしれない。渓谷沿いに神社へ向かって行くと赤い橋が見えてくる。車はこの橋の手前に停めるようになっているがやはりここも駐車スペースは限られ、Uターンの余地もほとんどない。橋を渡って進みUターンがしやすく混雑が少ない少し先の駐車スペースに停めた方が良いと思う。
車を停めてから橋まで歩いて戻り、川に沿った小道を上流へと森の中へ進む。案内板があったかどうか分らなかったが、木々が覆いかぶさり、巨大で苔むした岩肌が続く少し暗い道だが歩くのに良い道だ。200〜300メートルほど進むと水辺に降りる小道があり、龍神を祀った小さな神社がある。急流や深く暗い緑の淵、白い水流、苔が美しい印象的な場所だ。
ここに来る価値は十分ある。
この場所は実は人里離れた場所ではなく意外と多くの人が訪れていた。神社の参拝者もいれば観光で来ている人々もいる、そのほかにも釣り人やバードウォッチャーがいた。立派なレンズを持ったグループが、青白いフライキャッチャー(センダイムシクイ)を撮影するチャンスを待っていた。私たちも1羽見かけたので写真を1枚撮る事ができた。
道の駅レスティ唐古・鍵と奈良健康ランド
奈良市へ向かい、コインランドリーを利用した後、奈良健康ランドで入浴。健康ランドはお風呂だけの利用としてはとても高価だが、奈良市周辺には選択肢が少ない。その後道の駅「レスティ唐古・鍵」に向かった。ここは以前にも3回ほど来たことがあり、広くて設備も整っており、奈良エリアの観光地へ行くのにも便利な場所です。
*奈良健康ランド;2200円/大人 (1320円/65歳以上)
The author is a long term resident of Japan who has and continues to travel the country extensively. Avoiding highways where possible, the author has driven from Kagoshima in Kyushu to Wakanai in Hokkaido covering 20,000 plus kilometres and counting.